2016年9月19日

ノドゥル江辺


Nodeul Gangbyeon” (1934)

『노들강변(ノドゥル江辺カンビョンというのは韓国の民謡だ。
民謡といっても1934年に作られた「新民謡」のひとつ。明るい旋律とかなしい詩情が好きだ。


韓国では今でも親しまれているのか、色々な歌手が歌う様子がネット上に確認できる。しかし興味深いことにはこの歌、北朝鮮でも歌い継がれているようで、音源もいくつか聞くことができる。比べてみると歌詞はほぼ同じだがサビの一節…1番では「에헤요 봄버들도エヘヨ ポㇺポドゥㇽド」のあと、韓国版では「못 믿을 이로다モンミドゥリロダ」となっているところ、北朝鮮の版では「못잊으리로다モンニヂュリロダ」となっているのを見つけた。

発音の感じは似ているが…前者は「春の柳も信じられない」、そして後者は「春の柳も忘れられない」と言っている。たった一語で感傷の向きが逆転している。なお1934年のオリジナル歌詞は「信じられない」の方だ。

 鷺梁津駅前

ノドゥルは「鷺の飛び石」という意味だそうだ。それを漢訳した鷺梁津ノリャンジンという地名が今でもある。私はそれを見に行ったことがある。ソウル市街から2駅、漢江の南にある鷺梁津の街はとくに変哲もないところだった。駅の裏側に水産市場があり、そそる食事コーナーなどもあったのだが、魚介の名前がわからずあきらめて帰った。

 水産市場

参考文献
韓国民俗大百科事典」(韓国 国立民俗博物館)2016年9月18日閲覧