2018年6月17日


2018年6月4日


2018年6月1日


2018年3月15日

夜バムと生栗バム


Korean homophone 'bam'


韓国語で夜のことを固有語で밤というが
栗のこともまた밤という(同音異義語)。

韓国の民謡に「군밤타령(打令) 」[≒焼き栗音頭]というのがある。京畿民謡だが、以前取り上げた「노들강변(江邊)」と同じく近代に作られたものだ。そこにリフレインで
 군밤이요 에헤라 생률(生栗)밤이로구나
 クンバミヨ エヘラ センニ(ギ)ュㇽバミログナ[焼き栗だよ エヘラ 生栗だね
という一節が現れる。このうち생률(生栗)밤というのは同じ意味の漢字語+固有語をつなげた重言だと思われる。

ただしgoogleで생률밤と検索すると、군밤타령のことしか出て来ない。古い言い回しなのかもしれない。また発音について、音源をいくつか聞くと、생률を規則通り読んでセンニュㇽと歌うものと、생율センギュㇽのように歌うのと2通りあるようである。

………

すると今度は、北朝鮮の古い歌の一節に次のようなものを見つけた。(「자동차운전사(自動車運轉士)의 노래」1951年)
 달도 없는 야(夜)밤에 자동차(自動車) 달리다 …
 タㇽド オㇺヌン ヤバメ チャドンッチャ タㇽリダ[月もない夜に自動車走る … ]

ここには야(夜)밤というフレーズがあり、これも同じ意味の漢字語+固有語がペアになっている。

googleで検索した限りは、야밤はただの夜というより真夜中、深夜といった意味で、韓国では今も使われているようだ。

………

いずれも強調表現としての重言というだけかもしれないが、同音異義の固有語の意味を弁別するために漢字語とペアリングする、という造語法が韓国語にはあったのかもしれない。

漢字の字引をするための、固有語と漢字音を並べた「음훈(音訓)」という読み方に似ているが、漢字語と固有語の主従が異なる。

参考文献
「韓国民俗大百科事典」
http://folkency.nfm.go.kr/kr/topic/%EA%B5%B0%EB%B0%A4%ED%83%80%EB%A0%B9/618
2018年3月15日閲覧


2018年1月28日

健康づくり

Fight for health


2017年12月23日

Happy Holidays

2017年12月9日

出力

Bear printer









2017年9月3日

暑中御見舞

 Summer greeting


2017年6月19日

顔と地図

Facial maps


中国の民俗に関する古い資料を見ていると、びっちり区分けした人の顔の図が見当たる。「面相図」「面痣図」等々と呼ばれているもので、人相を占うための顔の地図だ。


最初に見つけたのがこのような図だった。「九州八卦図」といい、顔を一国に見立て、それを9つの地方に分割して、それぞれに方位と地名をつけている(なお九州というのは中国の古称だ)。これが地図でなくんば何であるか?


さらに調べてゆくとこのような図を見つけた。凹凸にあわせて顔を分割し、ひとつひとつ場所に名前を付している。こんどは一村の絵図といった趣、「福堂」や「天倉」、「山根」など、村の字名を見るかのようだ。


この図にはいくつかバリエーションがあり、より細かく区切った図も見つけた。前の図が大字ならこれは小字の図。耳など、前図では1大字だったところが4つの小字に分けられている。
右耳の穴は「大字木星鬼穴」だ。

よく見ると「大海」「辺地」「海角」「懸壁」など、土地の様相は前図より広大になっている。かと思えば「盗賊」もいたりして怖い。

2017年5月30日

倉敷の土蔵


Dozo (earthen storehouses) in Kurashiki, Okayama

倉敷を訪れた。

倉敷には誰もが知る美観地区というのがある。倉敷川べり、大原美術館のあるあたりだ。古い造りの町家・土蔵群が残り、それが飲食店や雑貨屋の店舗として利用されている。古い建物がまとまって残っているのは、かつて港町だったからだ。倉敷川をつたって高梁川、瀬戸内海へと出ることができた。

ここの土蔵は非常に大きな特徴を持っているのだ。


上図は美観地区外の商家の建物だ。一番手前が土蔵、ほかは土塀と塗屋造の主屋だが、道路に面してこのような意匠を見せている。いずれも腰までを焼杉板貼りとし、腰から上になまこ壁を設けている。

焼杉板はごく美しく焼かれている。他にたとえようのない黒光りだ。なまこ壁を見ると、土蔵は芋目地、土塀と主屋は四半目地となっている。いずれも腰まわりに加えて、四隅を登るように瓦を貼っている。また主屋、白壁の中ほどに一段水切りを設けており、その上にも一巻き貼ってある。これを「腹巻」という倉敷市HPより)。このなまこ壁の設け方が倉敷の土蔵の最大の特徴だ。



土蔵の窓の部分はこうなっている。窓には枠や土扉を設けず、庇も簡単なかたちだが、そのかわりにこのように瓦を貼っている。庇に跳ね返った雨を防ぐためなのだろう、愛嬌のある造作だ。

今回は倉敷の中心部から玉島、児島まで足を伸ばしたが、いずれもこの様式の土蔵が建っていた。またその足で瀬戸内海対岸、高松を訪れたところ土蔵の様式は大きく異なっていた。


岡山県内では高梁のあたり、津山のあたりにも、倉敷と近い様式の土蔵が分布しているらしい(未見)。さらに瀬戸内海側に目を転じると、塩飽諸島・本島に残るという「夫婦蔵」も明らかに同じ様式を持っている。また児島から高松へ向かう道中、坂出あたりまでには倉敷と同じ様式の土蔵があるのを見た。

なお塩飽諸島には船大工に端を発する大工集団がいるという。彼らが造り出した様式が備讃瀬戸を席巻し、徐々に内陸に浸透して行ったものか。

倉敷や伊豆下田を見るにつけ思う。なまこ壁の土蔵は港町のものだ。水運に乗って伝播する。


参考文献
上野時生編(1983)『四国の民家・建築家の青春賦』日本建築学会四国支部民家研究調査委員会

2017年4月30日

2017年3月26日

牧神とフィルム

Pan on the medal

こんなメダルを手に入れた。

表面には「賞 MINORI FILM」、裏面には「株式会社六和」とある。
かつて「みのりフィルム」という写真用フィルムの銘柄があり、「六和」というのがそのメーカーだったようだ。おおむねメーカー主催の写真コンテストか、小売店表彰のメダルといったところだろう。

質感や彫りの浅さは昭和30〜40年代の量産品メダルという印象だが、目を惹くのは表面に描かれた図像だ。笛を吹く半人半獣の像、これはギリシア神話のパンの姿だ。パンは牧神とも呼ばれ、豊穣さを象徴し、笛を吹くことを好み、なおかつ絶倫ということ。


なぜフィルム会社のメダルにパンが描かれているのか?
その答えはおそらく、みのりフィルムのラインナップに「みのりパンS」「みのりパンSS」というのがあったからだ。

しかしそのパンは「パンクロマティック」のパンだ。これは「可視光線すべてに感光する」という意味で、世界中の白黒写真フィルムに何々パンと名前がついている。つまりパンアメリカンとか汎ヨーロッパとかいうときのパンであり牧神とは関係がないのだ。


と思いきや…wikipediaのパンの解説にこうも書いてあった(以下一部引用)。

「パーンがテューポーンに襲われた際に上半身が山羊、下半身が魚の姿になって逃げたエピソードは有名であるが、この姿は低きは海底から高きは山の頂上まで(山羊は高山動物であるため)世界のあらゆるところに到達できるとされ、「全て」を意味する接頭語 Pan(汎)の語源となったともいわれている。」

という民間語源説があるのだと。

以上のような経緯で牧神とフィルムがつながっている。



参考文献
https://ja.wikipedia.org/wiki/ボルタフィルム
wikipedia日本語版「ボルタフィルム」2017年3月26日閲覧

https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_photographic_films
wikipedia英語版「List of photographic films」2017年3月26日閲覧

https://ja.wikipedia.org/wiki/パーン_(ギリシア神話)
wikipedia日本語版「パーン(ギリシア神話)」2017年3月26日閲覧

2017年2月24日

先輩の技

Bear machine




年季ノ違ウバイ

2017年2月6日

黒眼圏

Periorbital dark circles


中国のショッピングサイトをたまに見る。
最新式のヘルスケア商品やサプリの効能書きとキャッチコピーが、
格調高く四字×四句の形式で書かれているのが面白い。

あるアイマスクの効能書きにこう書いてあった。

視物模糊 眼精疲労 干渋流泪 黒眼圏

「黒眼圏」?
何だと思えば目のクマのことらしい。
なお英語でも「Periorbital dark circles眼窩周囲の暗い円
というのだと。

2017年1月16日

レスポンス『ミライのクルマ』表題イラストレーション


ニュースサイト「レスポンス」の特別編集企画『ミライのクルマ』トップページ表題イラストレーションを描かせて頂きました。

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